前編 私は中斎塾東京フォーラムの幹事をおおせつかっております竹岡誠治です。毎月1回湯島聖堂で行われる深澤先生の講演を楽しみにしておりますが、出席率が悪く御迷惑をかけております。この場でお詫び申し上げます。 仕事は、東京愛宕で会員制クリニックの運営に携わっています。全くの自由診療で、国の予算は一切使いません。その代り、会員か会員の紹介の方しか診察しないクローズのクリニックです。飛行機でいえばファーストクラスの座席を用意して、至れり尽くせりのサービスを提供しています。 人間ドックが主なサービスで、胃カメラや大腸カメラ、またMRIを多用して脳やお腹の中などを徹底して調べます。年1回のフルドックは半ば強制で、その結果をドクターが説明し担当ナースが1人1人を厳しくチェックします。 私はドクターではないので会員の面倒をみる係ですが、ポリープやガン細胞が見つかると、病状に応じて対応しております。中には、すぐに入院外科手術して事なきを得、感謝される事も度々あります。 多くのドクターが担当下さっていますが、四年前に順天堂大学の大学院教授で白澤卓二先生というドクターが私共のメタボリック指導担当でおみえになりました。お話を聞いたとたんに「これだ!」と全て納得してファンになりました。 「食事と運動と生きがい」白澤先生の柱はこの3つです。 自分自身の努力で認知症を予防し、ボケないで寝たきりにならないで自分の足腰で生活をし、100歳以上を目指そう。いってみればいつも中斎塾で深澤先生が説かれる「人生の少欲知足」の身体版ともいえるのです。その実践指導の為に、アンチエイジングキャンプを実施されており、私はすぐに参加をしました。2008年夏の斑尾高原でのキャンプでした。そこの運動指導担当が三浦豪太氏だったのです。今度は豪太氏にいっぺんで意気投合しました。三浦敬三氏、三浦雄一郎氏、三浦豪太氏と三代続く健康家族の系譜です。以来、冬はスノーシュー、夏は沢登りと豪太氏の参加する合宿に参加しました。スキーも始めました。 そうした中で白澤先生、三浦豪太氏等と話し合ってALCO(アンチエイジングリーダー養成機構)(※1)という社団法人を結成しました。どこの病院でもそうだと思うのですが、私のところのクリニックもデータを調べて薬を出すのは上手いのですが、会員が喜んで自発的に運動するようにもっていくところがもう一歩なのです。また、大きな目で見れば、日本の医療費は現在三六兆円。このままいったらすぐに40兆円を突破してしまいます。増加する一方の医療費を減らすには「病気になった人に予算を使う」という考えから「病気にならないように自助努力する人を増やす為に予算を使う」という発想に切り換えなければならないと考えたのです。 例えばシンガポールでは、健康の為に使った場合、一定枠まで非課税という制度があり、それによってうんと医療費が抑えられています。 これはいくら運動しろ運動しろと言ってみたところで、本人が自発的にそれではやってみよう と発心しなければ持続しない。これは面白い! と好奇心から自分の体を動かす、そうしたメニューを用意する必要があったのです。それには豪太さんの存在は、格好のモデルでありました。 ※1)Anti-aging Leaders Creative OrganizationでALCO |